カヤネズミ

このページでは口丹波に棲息するカヤネズミを掲載しています。


 6月17日の日曜日、近所の住民総出で農業用水池の周囲に繁る雑草の刈り取り作業がありました。早朝から全員草刈り機を持ち、手際良く土手の草が刈り取られていきます。作業は長い休憩も入れて3時間足らずの予定です。

 開始から僅か10分ほど経った時、管理人が背よりも高く伸びたススキを刈っていると、目の前に鳥の巣のようなものがあることに気付きました。すぐにカヤネズミの巣だとわかりましたが、そのススキだけ刈らずに置いておくことはできません。仮に残したとしても、後から誰かが刈ってしまいます。仕方なくススキを刈り取り、地面に落ちた巣を手に取ると、何となく巣が動いているような感じがします。そこで、この巣が空家だとしても、後で写真だけでも撮ろうと、作業を中断して巣を軽トラの荷台に置いておいた、雨合羽の入ったビニール袋に入れておくことにしました。

 そして3時間後、作業が終わり汗だくで車に戻り、ビニール袋の中を覗き込むと、巣の中からつぶらな瞳が見つめ返してくるではありませんか! 子供がいました。刈り取られた池の土手には、既にお母さんはいないだろうし、どうしたらいいものかと思いましたが、この後すぐにお疲れ会があるので、躊躇している間などなく、取りあえず家に持ち帰ることにして、1パイ飲んだ後でゆっくり考えることにしました。

 持ち帰った巣とカヤネズミの子供は、空いていた60㌢幅のプラケースに入れ、お疲れ会に行きました。

 美味しいビールを飲んだ後、家に戻ってプラケースの底にタオルを敷き、隅に巣を置き、牛乳を用意しました。そして改めて巣の中を覗くと、子ネズミは2匹確認できました。


カヤネズミ

カヤネズミの巣


 巣はイネ科植物の葉を材料に、器用に作られていました。
 長い時間巣に閉じ込められて、さぞお腹を空かしているだろうと思い、思い切って巣の中に指を入れて、外に出そうとすると、2匹は指を舐めてきました。少し歯が生えているようで、これなら死ぬことはないなと安心させられました。
 お尻を軽く押すようにして巣から2匹を出すと、もう大人に近い大きさまで成長していました。でもまだ動きは鈍く、俊敏さを欠いています。
 そこで次の日曜までここに置いておこうと決めました。その間にバッタなども自分で捕れるように訓練してから、親が棲む草むらに帰してやろうと思いました。


カヤネズミの巣

家に来て2日目のカヤネズミ


 手の平や指を舐めるように噛んできます。まだ幼さを感じます。身体もほっそりと華奢な感じです。


カヤネズミ

この目を見たらずっといてほしい気もします


 自然復帰のため、日中は巣をケースの外に置くようにしました。食べ物は牛乳ではなく、玄米や道端に生えているイネ科植物の殻のついたままの種の方がいいようです。生えてきた歯が使える食物を好みました。水分補給は水をよく飲みます。小さいウンチをよく出し、オシッコもよく出ます。(手の平の上にも)食糧にもなり、運動にも役立つだろうと、庭で捕まえたヒシバッタを入れておきましたが、この段階ではヒシバッタの方が動きは上でした。


カヤネズミ

兄弟なかよくお昼寝中


 1日の内、こうして眠っている時間の方が長いように思われます。(勘ですが)

 カヤネズミをこんなに近くで観察したのは初めてです。ネズミをこれほど可愛い生き物だと思ったことも、過去にはありません。イネよりももっと小さな植物の種子を好み、イナゴなどの昆虫も食べるカヤネズミは、農家の人にとって益獣だと思いました。


カヤネズミ

数日後、お米を食べるカヤネズミ


 2本脚で立ち、前脚で食べ物を持って食べています。お米1粒を食べるのに、1分以上時間がかかります。それでも少しは1人前になってきました。
 カヤネズミは手を近付けると掴まってきて、手の平の上でもおとなしくしていました。人懐っこい動物かもと、この日までは思っていました。ところが翌日になると、手を近づければ逃げまくります。巣に指を入れると…何と、裏から出て逃げ出します。この巣には裏口があったのか?と、その時初めて知りました。


カヤネズミ

最後に手に乗ってくれた日のカヤネズミ


 寿命が短い分、成長も早く、1日で随分変わります。確認はしていませんが、もうプラケースの中を飛び跳ねるヒシバッタも捕獲できるようになったみたいです。そろそろお別れの日が近づいてきました。


カヤネズミ
体格もちょっとは大人になったかも?

 カヤネズミとのお別れはあっけないものでした。巣のあった土手の近くの草むらにいき、ケースを横倒しにしてやると、振り返ることなく一目散に2匹とも去っていってしまいました。お別れの記念写真など撮る間などありません。「ホンマは俺のことが嫌いやったんやないか?」と思えるほどの逃げ足です。
 でもまぁ、これなら自然の中で生きられるだろうと、安心して帰ることができました。


にほんブログ村 小動物ブログへ



カヤネズミ(ネズミ科カヤネズミ属)
 日本のネズミの中では最も小さいネズミです。
 イネ科のススキなど、大型の植物の葉に巣を作り、繁殖期はおおよそ年2回(春・秋)。
 地面にはヘビやイタチなどの天敵が多いため、カヤネズミは地上1㍍ほどの高さに営巣するのだと思いますが、俗に言うカヤ類の植物のない場所では生きていけません。そのため開発などによって営巣場所は次第に少なくなり、京都府では準絶滅危惧種に指定されています。
 昔は稲刈り時期に、空家になったカヤネズミの巣がよく見つかりましたが、最近はどうでしょうか?稲の品種は早生のものが多くなり、昔に比べると稲刈り時期は随分早くなりました。この可愛い隣人の繁殖時期と重なっていないか、心配なところです。
寿命は1年程度と大変短い生涯です。


あなたのワンクリックで救える命があります。


 

テーマ : 口丹波
ジャンル : 地域情報

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

アタ

Author:アタ
よろしくお願いいたします。

目  次
ページ検索が容易にできます。
関連サイト
口丹波の社
口丹波の花と植物
三枚山の植物
花っていいね!
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
訪問いただいた方
企業リンク

ウッドマート

 

 

 

検索フォーム
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

にほんブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサード・リンク