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ホームページ「口丹波の社」の管理人アタの雑記帳。
カミガモシダは京都の上賀茂が名前の由来だそうですが、中部以西の本州から九州まで自生する常緑のシダ植物です。ただその自生場所は局地的で、四国などでは大変稀なシダのようです。
京都府のRDBでは準絶滅危惧種のカテゴリーに入り、近畿RDBでは絶滅危惧種Bに入っています。京都府RDBには、カミガモシダが数を減らしている理由に、「産地が限定され、園芸用に採取されることも多い」とありました。確かに大手検索サイトでこのシダを検索すると、トップページに販売サイトがあったりします。園芸用に販売される山野草にも、一部の野菜のように生産者のプロフィールなどの表示を義務付ければ、少しは乱獲が減るのかも、などと思ったりします。
少し話がそれてしまいましたが、このカミガモシダ、口丹波の山地では結構目にすることの多いシダなので、準絶滅危惧種という感じではありません。もちろん口丹波ならどこへ行っても見られるなんてことはありませんが、同じ準絶滅危惧種に指定されている野生ランなどと比べると、まだ身近な植物のように感じます。
カミガモシダは山地の沢や渓流近くで、空中湿度が高く、真夏でもヒンヤリとした所で、殆どの場合群生しています。
カミガモシダ(2011年12月中旬 京丹波町)
カミガモシダ(2012年3月中旬 南丹市)
南丹市の自生地では、近くに同属でよく似たヌリトラノオも自生していました。
植林された森の中では木の幹の周囲を囲むように群生していたり、岩の上に生えるコケを覆うように広がったり、また岩の割れ目に生えて、葉をダラリと下向きに垂れたりしています。いずれの場合も、終日日光が当たらないような薄暗い場所が多いようです。
切り立った岩に生えるカミガモシダ(2012年5月中旬 京丹波町) |
岩に生えるカミガモシダ(2012年5月中旬 京丹波町)
カミガモシダ(チャセンシダ科チャセンシダ属の常緑シダ・日本固有種)
中部以西の本州、四国、九州に分布。
葉の先端は蔓状に伸びて無性芽をつけるので、小さな群落ができやすいようです。