鈴波神社と大スギ
南丹市美山町鶴ケ岡に鈴波神社という美しい名前の神社があります。神社近くの豊郷松尾、神谷、名島三村の氏神様で、当社は三ノ宮と称されています。
神社が鎮座される地区は綾部市との市境また福井県との府県境に近く、深い谷間の山村で、中風寺こと真言宗・成願寺が有名です。その中風寺の前を流れる西川に架かる橋の袂に「鈴波神社参道」の石柱標識が立っていました。
西川縁の石柱標識
車は中風寺近くの道路の少し広いスペースに駐車し、そこから徒歩で神社に向かいました。鈴波神社は橋を渡って左折し、西川に注ぐ支流の右岸の細道を山の方向へ少し坂を登ったところにありました。
坂の先に見える鳥居
参道も境内もスギの枝が無数に落ちていました。大雪対策の枝打ちをされた後のようです。そのせいでしょうか?ここでは倒れたスギの木は見当たりませんでした。この冬、口丹波の植林地では大雪のために甚大な被害が発生しました。この森は枝打ちや間伐作業を雪の前に行うことの重要さを教えてくれます。
鈴波神社 正面
拝殿の先に谷川が横切り、小橋を渡って本殿へ向かいます。本殿手前の手水鉢には安永三年と刻まれていました。
覆屋で守られた一間社流造の本殿
本殿 屋根は柿(こけら)葺き
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鈴波神社は境内にあるご神木の大スギで有名です。幹周約510㌢で京都府より普通母樹の指定を受けているこのスギは、神社が創建された長享二年(1488年)か元禄十三年(1700年)の再建時のどちらかに植樹されたものと考えられています。またこのスギは南丹市の天然記念物にも指定されています。
境内の大スギ 本殿の前に聳えています
地表を這い、青々と苔むしている大スギの根
かつて林業で栄えた当地に相応しく、大きな木々の中に建つ鈴波神社
鈴波神社
住所: 南丹市美山町豊郷宮ノ谷11
御祭神は大山祇(おおやまづみ)命
現在の社殿は明治十四年に再建されたものです。
境内に末社な無く、本社1社が祀られていました。