アユモドキ復活!??(南丹市八木町)


 9月30日の夜、NHK京都ローカルのニュースを見ていると、南丹市では既に絶滅したと考えられていたアユモドキ(生態写真なし)が5年ぶりに見つかったと報じました。思わず「ホンマかぁ~?」と叫んでしまいましたが本当でした。南丹市、とりわけ旧八木町の住民にとっては大きな朗報です。
 京都新聞は少し時間をおいて10月5日にこのことを掲載しました。地方版のページでは結構小さなニュースも取り上げる新聞社が、こんなに大きな発見を掲載するのにこれだけ時間をかけたのは何か理由があったのかも知れません。

 これらの報道に触れて、その時管理人が思ったことが2点あります。

 まず1つ目ですが、八木町でのアユモドキの調査は2年前から定期的に実施されていて、今年に関してはかなりの期待感が持たれていたところでの発見でした。というのは、八木町で以前生息していた西田地区内の農業用水路や水田では絶滅したのですが、大堰川(=桂川・保津川)下流の亀岡市の生息地では、昨年実施された個体数調査で当歳魚が2000尾以上と推定されていて、その中から八木町まで川を遡上するものがいるだろうと考えられていたからです。このことから長い間アユモドキを保護し、生息と繁殖環境の整備を続けてこられた亀岡の行政やNPO法人、また保津地域の住民のみなさんの努力が、確実に実ってきたんだなと大変嬉しく思いました。
 調査をされているのはNPO法人亀岡人と自然のネットワーク南丹自然と人ふるさとクラブそして南丹市教育委員会の方々が中心となっておられることです。本当にご苦労さまでした。
 ただ、まだ課題は残ります。それは遡上アユモドキの調査ということで、調査は亀岡市と南丹市の境界付近の寅天堰直下で行われ、アユモドキが八木町の水田まで辿り着くにはこの堰を越えなければなりません。しかし堰の高低差(落差)はおよそ70㌢と高く、ドジョウの仲間であるアユモドキはサケやアユのようにジャンプして遡上することは不可能です。現在、寅天堰にアユモドキでも遡上できるような魚道を作るために関係機関との協議がなされているようです。八木町の水田では実に20年も発見例はありませんでしたが、寅天堰上流まで遡上できるようになれば、本当の意味でアユモドキが八木町で復活したと言えるのでしょう。


寅天堰

寅天堰下流  たくさん並んだ消波ブロックの隙間で発見されました


 もう1つ思ったことですが、在来の淡水魚に詳しい人なら恐らくだれもがアユモドキが国の特別天然記念物で、岡山県の一部河川と口丹波(亀岡市)のほんの限られた場所にしか生息していないことはご存じだと思います。建造物や絵画・彫刻なら国宝級の保護を必要とする生き物です。しかし悲しいことに世の中には希少種好き、珍しい物好きが高じて、違法と知りながらこっそりそれを入手しようと企むヤカラが多く、そんなヤカラに高価な値段を付けて販売しようとする不届きな業者が多いのも事実です。それなのにどうして生息場所や発見場所の具体的な情報をメディア等に発表されるのかという疑問です。
 このブログで写真を掲載したのはテレビや新聞に出されていたので、ここで伏せても仕方がないと思って載せましたが、上の写真に映っている魚を捕りに入って休憩をしている3人は調査の関係者の方か、アユを目当てにされてる方かは不明です。しかしもしこのようにして業者が違法行為をしていても、恐らく殆どの人は気にしないと思うのですが…いかがなものでしょうか? 場所を公表する以上、徹底した保護・保全対策を望みたいところです。
 余談ですが同じようなことが亀岡市のホームページ内でも見られます。亀岡市の自然100選というコンテンツがあるのですが、その中に例えば「ホトケドジョウのいる小溝」として京都府のRDBでは絶滅寸前種に指定されているホトケドジョウの住む溝の場所が特定できるような写真が掲載されています。これは勘ぐって考えれば意図的にわかるようにしているとも取れます。つまり、場所がわかるのでマニアや業者が入る ⇒ 根こそぎ捕られて絶滅する ⇒ 絶滅したので開発できる ⇒ 地元の建設業者に仕事が出せる とまぁこんな絵が描けないこともありません。世の中には自然環境や種の保存なんかにはまったく関心のない人も大勢いるので気配りも必要だと考えます。
 亀岡市の自然100選に関してはもう1点、ついでなので書きますが、メダカの生息する三日市川が100選の中にあります。しかし三日市川は何年も前に圃場整備によってコンクリートの川に変わっていています。確認はしていませんがはたして今もメダカや以前はたくさんいたタナゴ、二枚貝などはいるのでしょうか? 環境保護と開発の問題は難しいので触れるつもりはありませんが、三日市川は人工的に作られた川になったので、自然100選では早々に消去して101番目の候補を昇格させられたらと思います。


西田地区の田園

かつてアユモドキが生息していた水路のある西田地区


クリックで救える命がある。

 話をアユモドキに戻します。八木町西田地区の田圃には刈り取りを待つ稲穂が金色に輝き風になびいていました。八木町は京都府下有数のおいしい米どころです。そんな西田地区で車道脇の水路を覗きこむと、泥底ですがきれいな水が緩やかに流れていました。ところが生き物といえば巻貝のカワニナのみで、普通こういった水路でよく見るモロコやカワムツなどの小魚の姿はまったく見られません。思わず「大丈夫かいな?」と将来ここまでやって来るだろうアユモドキのことが心配になりました。かつて西田地区で絶滅したのにはそれなりの理由があったことと思います。今後西田地区ではその理由を検証してアユモドキが暮らし繁殖できる環境整備が必要で、また地域住民への啓蒙も不可欠だと考えます。
 真に南丹市でアユモドキが復活するにはまだまだ長い道のりがあることとは思います。しかしアユモドキを愛することは自分の故郷を愛することであり、故郷の自然や環境を守りたいという強い想いがみんなの心の中になければこれらの課題をクリアすることはできないでしょう。


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アユモドキ(ドジョウ科アユモドキ属)
 現在は岡山県の一部の河川と京都府亀岡市の一部河川にのみ生息する国の特別天然記念物。RDBの環境省カテゴリーでは絶滅危惧ⅠB類、京都府カテゴリーでは絶滅寸前種。かつて琵琶湖淀川水系では普通に見られた淡水魚で滋賀県にも生息していました。滋賀県ではウシドジョウやアイハダという地方名で呼ばれていました。京都府ではアユのことをアイと呼ぶところもあり、アイモドキ、アユナギなどと呼ばれていました。動物食で赤虫やトビケラなどの水生昆虫のほか小型の陸生昆虫なども食べるようです。梅雨時期から8月頃にかけて雨後の増水による水たまりや水田などの一時的水域で産卵を行います。従ってアユモドキの繁殖には河川と水田が繋がった環境が必要です。また普段は物陰に潜んで生活をしているので、特に用水路などは石垣護岸がないと定住してくれません。
 不確かな記憶ですが何年も前に滋賀県草津市にある琵琶湖博物館でアユモドキの生態展示を見たような記憶があります。今はどうかわかりませんが、琵琶湖博物館は日本産淡水魚好きにはとても嬉しい水族館です。行かれたことのない方にはお勧めスポットです。

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